井植敏淡路会議代表理事の挨拶に続いて、京都大学防災研究所教授、水資源環境研究センター長の小尻利治氏の進行により、フォーラム前半の討論が展開されました。
まず、最初に前日のシンポジウムでアジア各地域の事例発表をコーディネートされた中北英一京都大学防災研究所気象・水象災害研究部門教授によりシンポジウムの総括が報告され、出席者全員が共通認識を持ったうえで討論が進められました。
休憩をはさんでのフォーラムの後半は、神戸大学大学院法学研究科の簑原俊洋教授の進行により、討論が展開されました。まず、同志社大学政策学部の阿部茂行教授により、これまでの討論を踏まえた論点整理が行われたあと、元栗田工業(株)社長の髙坂節三氏による「中東の水事情」の説明がありました。その後、メンバー、ゲスト、講師それぞれの専門的な視点から自由な討論が展開されました。
最後に2日間にわたる淡路会議の締め括りとして、防衛大学校長・神戸大学名誉教授の五百旗頭真氏から、淡路会議声明の骨子が説明され、世界人口の増加、それに伴う生産に要する水消費の増加が、水をめぐる需給バランスの逼迫を引き起こし、水資源は地球的に深刻な問題となっていることや、水資源の問題は、一つの地方自治体や一つの国家で解決出来ない拡がりを持っており、水問題への対処には地域と国のガバナンス、さらにはグローバル・ガバナンスを必要とする段階に近づいていること、水資源問題の解決にむけては、知識、技術をいかに社会的に使っていくか、それを流水域を超えて、あるいは国境を超えて共有し、協力していくということがいかに重要かを認識せざるを得ないと述べられました。この骨子を元に淡路会議声明を作成し後日発表することとされ、フォーラム参加者約45名による賛同と確認がなされ閉会しました。