A 安全安心

【共通テーマ:減災社会に向けての新たな視座】

会場 : 人と防災未来センター東館
開催時間 : 13:30~15:00

月日 テーマ キーワード 講師名 所属&役職 講義内容
10月17日(金) リスボン地震と「ポンバル改革」 ポンバル、リスボン再建、「啓蒙改革」、近代化 疇谷 憲洋 大分県立芸術文化短期大学国際総合学科准教授 首都リスボンを壊滅せしめた1755年の震災は、近代ポルトガルにおける転機となった。ヨーロッパ諸列強に比して自国の衰退を認識していたポンバルは、リスボンを碁盤目状の街路を持つ近代都市に再建するとともに、震災への対応を通じて実権を掌握し、政治・経済・文化の多面にわたり上からの近代化を目指す「啓蒙改革」を実施する。この講座では、震災という危機的状況下でポルトガルとその植民地帝国の再編・近代化を試みたポンバル改革の意義について考える。
11月19日(水) 事例にみる共生型コミュニティの実際と展望 NPO・地域団体・企業・多元的コミュニティ 中村 順子 認定NPO法人 コミュニティ・サポートセンター神戸理事長 災害等危機管理への備えは、あらゆる面で日常性が問われるところにあります。
コミュニティの有り様や自身の関与が生死を分けた事実もあり、どのようなコミュニティが人を孤立させず、安心安全に導くことができるのか。
行政の世帯中心の地域割りコミュニティ政策に加え、個人の意思で選択し役割がある新たなコミュニティが機能する地域を構築することではないでしょうか。
高齢社会の共助・互助活動の事例を挙げながら安心安全の地域を検証します
12月17日(水) 災害時の生活再建ってなんだろう 応急復旧、生活再建、災害法制度、阪神淡路大震災と東日本大震災 事前復興計画 桜井 誠一 総務省地域力創造アドバイザー(元神戸市代表監査委員) 人々が災害にあって被害を受け、個人や街が立ち直る過程においては、自助・共助・公助の仕組みがあって初めて可能となる。その仕組みとは、どのようなものがあるのかを知る。また、「復旧」「復興」「生活再建」「生活復興」など様々な言葉が使われるが、その違いは何か。阪神・淡路大震災と東日本大震災とでは生活再建にかかわる制度は、どのように変化をしているのか、人々や街が被災から早期に立ち直るには、事前にどのような合意をしておくことが必要かなどを学びます。
2月20日(金) 東日本大震災後の自治体間連携―関西広域連合の取り組みを中心に― 東日本大震災、自治体間連携、関西広域連合 鶴谷 将彦 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構研究調査本部主任研究員 1995年の阪神淡路大震災は「ボランティア元年」といわれていますが、2011年の東日本大震災以降、被災時の自治体相互支援に関する協定が多く結ばれたことから「自治体間連携元年」といわれています。そこで本講義では、東日本大震災後に多く見られるようになった自治体間連携について、関西の2府5県が結集し設立された自治体間の連携組織である「関西広域連合」の取り組みを中心に自治体間連携のこれまでの経緯と現状を紹介します。また、関西広域連合は「カウンターパート方式」を採用し、迅速な対応を行ったとされています。講義では、東日本大震災時の関西広域連合の支援活動の評価と課題について紹介しながら、被災時における自治体間連携の役割と課題について、皆さんと一緒に考えていこうと思います。
3月18日(水) 危機と近代:安全安心と日本 東日本大震災・福島第一原発事故・リスク・クライシス・カタストロフィ 開沼 博 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員 災害や戦争・紛争などの「社会的危機」は「社会を壊す」ものです。物理的にインフラを止め、それまでの価値観を変え、人々を無秩序に陥れます。しかし、それだけでしょうか。むしろ「社会をつくる」側面があることにも注目すべきです。一度壊れた秩序が回復され、再度危機になることを想定して新たなインフラや価値観が作られる。実はこの破壊と創造の連鎖こそが、日本の近代化において極めて重要な役割を果たしてきたのではないか、というのが本講義の視点です。安全安心とは何か。明治以来の日本の近代化のメカニズムの中で捉え直していきます。
3月6日(金) 大震災復旧・復興過程の比較
~関東、阪神・淡路、東日本大震災を中心に~
復旧・復興過程の比較研究、行政、リーダーシップ、大震災 金 恩貞 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構研究調査本部研究員 本講義では、①関東大震災、②阪神・淡路大震災、③東日本大震災、の三つの大震災の復旧・復興過程について、政治史・行政史の観点から比較検討を行います。
過去の大震災に際して、中央政府や地方自治体といった行政機関はいかなる対応をとったのか、また首相や首長らの政治リーダーたちはいかなる手腕を発揮して災害からの復興を実現したのか。この問題について、当時の一次資料やオーラル・ヒストリーなど最新の成果を踏まえて解説します。