21世紀文明研究セミナー2012


E 芸術 美術館は試みる
 

開催日・テーマ・講師 講義内容 講義風景・配付資料
平成24年10月5日(金)
13:30〜15:00
平成元年に、兵庫県立近代美術館で「美術の中のかたち」展が開催されました。本展は、視覚に障害を持つ方にも美術館に来ていただきたいという願いと、手で触れる作品の展示によって、目で見るのが当たり前となった美術館鑑賞のあり方を再考しようという目的から始まったものです。以後、同展は、シリーズ化され、兵庫県立美術館への移行後も継続され、今年ではや23回目を迎えます。
この講義では、数年前から現在までの同展のひとつひとつの内容を紹介し、その意義を解説するとともに、その活動の中から立ち現れた問題点、課題などにも触れようと思います。その上で、あらためて同シリーズの美術館活動上の位置づけを試みる予定です。
「美術の中のかたち」展について
視覚と触覚、触覚の多様性、触れることと触れないこと
出原 均
兵庫県立美術館 常設展・コレクション収集管理グループリーダー
配付資料
平成24年11月9日(金)募集終了
13:30〜15:00
 一般に美術館の展示には、特別展と常設展がある。一定期間、外部から作品を借用して行う特別展には注目が集まり、コレクションを常時公開する常設展は軽視される傾向があるが、実のところ、あらゆる美術館活動の根幹をなすのはコレクションである。
美術作品の収集と保存、公開は美術館の使命であり、目立たなくとも長年にわたって継続的に行っていくべきものである。では、美術館はコレクションをどのように見せるべきであろう。人々に興味を持って楽しんでいただくために、どういう展示や紹介の方法が可能なのか。
本講義では兵庫県立美術館のコレクション展での実例を示しながら、美術館がコレクションをどう見せればいいのかを考えてみたい。
美術館コレクションをどう見せるか―兵庫県立美術館のコレクション展を例に−
美術館、展覧会、コレクション、展示
速水 豊
兵庫県立美術館 企画・学芸部門マネージャー
配付資料
平成24年12月7日(金)募集終了
13:30〜15:00
 関西を拠点に活動を続ける気鋭のアーティスト河合晋平(1971〜)による合成樹脂を用いた独自の作品世界を紹介しつつ、新鮮な驚きに満ちた視覚体験の場としての美術館の役割を考える。
チャンネル3河合晋平展 新進作家の紹介について−今の美術とどう関わるか−
現代芸術、エンターテイメント、ヴンダーカンマー
岡本 弘毅
兵庫県立美術館 常設展・コレクション収集管理グループ学芸員
配付資料
平成25年1月11日(金)募集終了
13:30〜15:00
 平成24年11月3日にオープンする横尾忠則現代美術館。兵庫県西脇市出身の世界的美術家、横尾忠則からの寄贈・寄託作品および資料を収蔵し、常に動き、流れている活動的な美術館を目指します。
新しい美術館の立ち上げにあたっての苦労話、裏話を交えつつ、このユニークな美術館についてご紹介します。
Y+T MOCAへようこそ−横尾忠則現代美術館ってどんなところ?
個人美術館、現代美術館、新設美術館
山本 淳夫
横尾忠則現代美術館 学芸課長
配付資料
平成25年2月1日(金)
13:30〜15:00
募集終了
 フィンランドのモダンデザインは、近・現代の建築・デザイン史で独自の位置を確立しています。「すべての人々にとって、あらゆる観点から良いデザイン」を追求するフィンランド・モダンデザインは今日のユニヴァーサル・デザインやエコロジー・デザインの原点ともなっています。その根底には、トーヴェ・ヤンソンによる童話『ムーミン』に描かれたような「人間と自然との共存」「家族や地域コミュニティーでの相互扶助」を重視するフィンランドの伝統的なライフスタイルがあります。
本講義では、国際的に高く評価されているフィンランドデザインの根幹をなす精神を、19世紀末のナショナル・ロマンティシズムの美術に探り、その後展開した20世紀の建築、デザインを紹介します。また現在の公共デザインの取り組みを紹介し、フィンランドにおけるデザインの考え方、生活の中のデザインのあり方について考察します。
フィンランドの美術とデザイン くらしのなかの美をとりあげる−モダンデザインにみるフィンランドの精神−
フィンランド、ナショナリズム、ユニヴァーサルデザイン、エコロジー、自然との調和
飯尾 由貴子
江上 ゆか
兵庫県立美術館 特別展・国際交流担当学芸員
配付資料
平成25年3月1日(金)募集終了
13:30〜15:00
大河原邦男(おおかわら・くにお 1947- )は主にアニメーション作品に登場するロボットなどのメカをデザインするメカニカルデザインという仕事を日本において確立した第一人者です。 「科学忍者隊ガッチャマン」(1972)、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」(1977)、「機動戦士ガンダム」(1979)などのアニメ作品は今も人々に親しまれていますが、その人気を大きく支えているのが大河原氏によるメカデザインです。それらは硬質でリアリティに溢れるものからユーモアに充ちたものまで多様な魅力を湛えています。大河原氏のデザインは、戦後日本文化を語る際に欠かすことの出来ない表現として、近年では国際的な関心も集めています。
本講義では、大河原氏のデザインがアニメ作品のスポンサーやアニメ監督からの要望、時代の流行など複数の要素を巧みに取り入れながら完成するものであることを示し、芸術表現の新たな可能性について考えます。
大河原邦男のメカデザイン−美術館はアニメをどう見せるか−  
アニメ、デザイン、戦後日本文化、サブカルチャー
小林 公
兵庫県立美術館 特別展・国際交流担当学芸員
配付資料



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