基調提案3:「アジアのエネルギー需要の増大による課題とその解決策について」

写真 江崎 禎英

カレン・シュナイダー  ●オーストラリア農業資源経済局次長
〔発言要旨〕
   アジア、とりわけ中国とインド両国において、経済産出量のさらなる伸びと人口の拡大に付随してエネルギー消費量は今後ますます増加すると思われる。中国・インド両国の経済規模を鑑みると、両国にとって大きな課題が浮上してくるであろうと同時に、地球規模のエネルギー市場やその他の問題にもさまざまな影響が現れてくるであろう。両国内にとっては、需要に見合うエネルギー供給の確保が重要課題となり、確保に向けての様々なアプローチが必要となるだろう。すなわち、エネルギー供給に対する適度な投資、省エネルギーの促進等へ向けたエネルギー価格や規制構造の刷新などである。中国・インドにおけるエネルギー需要の増加に端を発して、世界のエネルギー市場に警鐘が鳴らされ、その結果、国際資源の安全保護という対外的な問題が発生するであろう。加えて、エネルギー需要の増加が環境へもたらす影響にうまく対処していくことも重要な課題となる。中国とインドにとっては国内環境問題が最重要となるであろうが、両国に限らず主要各国から排出される温室効果ガスの増加による地球全体への影響もまた大きな課題である。もはや中国やインドが単独で取組める問題ではなく、地球規模で最良の成果を達成するために、国際協力・国際協調が必要なのである
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