記念講演
「アジアの台頭-世界経済の新たな原動力として-」
- エドワード・ツェン ●スパークアイス社 会長兼CEO
- アジアは、いまや世界の製造センターの役割を果たしている。情報通信に関する様々な指標、例えば、携帯電話利用者数、インターネット利用者数、ブロードバンドネット世帯数などを他の地域と比較しても、アジアは明確に世界をリードしている。
将来的には、世界の貿易はある意味で中間がなくなり、一つのグローバルメガハブ、例えば、現在の空港やテレコムのような世界になると考えられる。いまや世界は急激に変化している。そこで、そうした変化にアジア地域が対応し、今後、世界経済の原動力となるための方策として「e-Asia」構想を提言する。
具体的には、アジア各地域から政府関係者及び経営者のトップを招集し、「e-Asia委員会」を立ち上げ、そこで、定期的にセミナーを開催したり、振興策の検討を行う。あわせて、「e-Asia戦略的投資基金」を構築し、アジアの市場において活躍してもらえるような世界の先進ハイテク企業の買収、または、戦略的投資を行っていく。
さらに、アジア自由貿易ゾーンを構築し、技術交流の規模を拡大するとともに技術開発と市場開放を一層促進していく。また、アジアのハイテク企業を対象に優遇関税措置を導入するとともに、グローバルなハイテク競争とは人材獲得競争でもあることから、優秀な人材をアジアで獲得するために個人所得税の優遇措置制度を導入する-などである。
こうした枠組みを構築し、中国の市場と人材、日本の資本と技術、韓国の創造力、インドのソフトウエア開発力、東南アジアの産業力などを結集すれば、アジアは世界の中枢として発展していくだろう。