基調提案2

写真 大星公二

大星公二  ●株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ相談役
〔概 要〕
   わが国は、ADSLやCATV、光ファイバーの普及により急速にブロードバンドの時代に入ってきている。いつでも、どこでも、誰もがアクセス可能な「ユビキタスネットワーク社会」の到来は、技術革新の問題を越えて社会や文化の変革にまで影響が及ぶような「情報ルネッサンス」の時代へとつながっていくだろう。
 そのような可能性をもったITのネットワークをアジア全域に拡充していくことが、いま我々に課せられた課題ではなかろうか。そうした課題への対応の動きは、すでに随所に芽生えている。例えば、政府レベルでは、「アジアブロードバンド計画」が動きだしている。これは、政府のIT戦略本部が策定した「e-Japan重点計画」の一つで、すでに、アジア地域における次世代インターネット網の構築に向けたアクションプランができつつある。また、アジア太平洋地域の国々を直接相互に接続するインターネット・バックボーン・ネットワークを構築・運営するため、株式会社アジアインターネットホールディングが誕生している。今後は、こうした情報・技術の交流やアジア各国間の人的な交流の促進を通じて、アメリカやEUと対等に交流できるアジア圈にレベル・アップしていく必要がある。
 さらに、ITネットワークの一層の発展によって、人間一人ひとりが持っている能力が最大限に発揮できるような社会、あるいは、知的創造性や豊かな感性が自由に引き出せる自己実現の社会となっていくことが望まれる。こうした動きを、国家の壁を越えてアジアへ、アジアの壁を越えて世界へと、グローバルに発展させていくことが、我々企業経営者としての究極の目的ではなかろうかと考えている。
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