国際シンポジウム2003の概要

写真 国際シンポジウム2003会場風景

プログラム

井植敏淡路会議代表理事による開会挨拶、井戸敏三兵庫県知事代理として五百蔵俊彦兵庫県出納長による歓迎挨拶、そして五百旗頭真神戸大学大学院教授による開催趣旨説明の後、韓国からお越し頂いたサムスン電子の副会長兼CEOから、「サムスン電子のグローバリゼーション」と題して記念講演を頂きました。
 記念講演では、サムスン電子がグローバル的成長を成し遂げていくために、「社内のシステム革新」や「グローバル・マーケティング戦略」に取り組むとともに、海外に進出した国の文化、習慣等を大切にして、社会貢献活動を行っていることなどについてご講演頂きました。
 引き続いて行われたパネル討論では、神戸大学大学院法学研究科の五百旗頭真教授によるコーディネートのもと、三洋電機株式会社代表取締役会長兼CEOの井植敏氏、朝日新聞社コラムニストの船橋洋一氏、タイ・チュラロンコン大学経済学部教授のパースク・ポンパイチット氏にご参加頂き、「ヒト、モノ、カネのグローバリゼーション―多文化共生へのアジアの知恵―」をテーマに活発な議論が展開されました。
 井植会長からは、長年培ってきたサムスン電子との事業合弁から得た様々な教訓や淡路島に向けられた熱い期待と夢、そして製造業から創造業へとシフトしつつある今こそ、海外から優秀な人材を招き入れるべきであるなど、主にビジネスの視点から思いを語って頂きました。
 船橋洋一氏からは、韓国でインターネットによって最前線に躍り出た386世代が、国をリードしているという事実。グローバル社会に不可避な文化摩擦を乗り越えるには、言葉を通じてきちんとお互いが納得しあうことが重要であり、英語がアジアをつないでいくということ。そしてグローバリゼーションの負の側面に対処していく一つの方法としては、地域の良さを見出し「隣交」へと高めていくことが重要などの提言を頂きました。
 また、タイからお越し頂いたパースク教授からは、リゾートホテル建設や森林伐採による環境破壊、非合法移民の過酷な現状などグローバリゼーションがもたらした負の側面に着目しながら、金融危機に際し「過去を振り返り、昔のように自給できる経済力を回復しよう」という国王演説を契機として、国民が自立への道を模索してこれた、というエピソードをお話し頂きました。
 会場には、オーストラリア総領事館副総領事、インドネシア共和国総領事館領事、タイ王国総領事館領事のほか、大韓民国全羅南道、企業関係者など250名の聴衆が熱心に耳を傾けていました。

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