21世紀 文明研究セミナー2010


C 防災 地震災害への対応
今後かなりの確率で発生が懸念される首都直下地震への対応をはじめ、歴史的建造物の保護、交通対策、災害医療、こころのケア、国際協力などを通して、地震災害について、人と防災未来センター上級研究員等の研究成果を紹介し、その理解を深めます。


開催日・テーマ・講師 講義内容 講義風景・配付資料
平成22年10月12日(火)  30年以内に70%の確率で発生するという首都直下地震。阪神淡路大震災と同じマグニチュード7.3で行った被害想定では、東京湾北部に震源をおいた東京湾北部地震が冬の夕方、風速15mの下で発生すると、最大震度6強であるが、全壊20万棟・全焼65万棟(160万世帯が自宅喪失)、帰宅困難者650万人、避難所避難者270万人、復興費用65兆円、経済損失47兆円と阪神淡路大震災の8倍の被害。この被害にどのように対応できるのか。阪神淡路大震災の教訓を如何に活かせるか。
首都直下地震と阪神淡路大震災
中林 一樹
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター上級研究員、首都大学東京 大学院都市科学研究科 教授
首都機能、帰宅困難者、都市復興、仮設市街地、事前復興
配付資料
平成22年10月20日(水)  地震に対する歴史的建造物の保護・保存は、地震地帯に存在する世界遺産を始めとする各種文化遺産にとって重要な課題である。人々の心の拠り所となる歴史的モニュメントをはじめとする建造物を後世へ残すために、世界遺産に指定されているイランの「バムとその文化的景観」やネパールの「カトマンズバレー」を例にとり、保有耐力を把握するための現地調査や地震応答解析、それに基づく耐震性評価について講述するとともに、歴史的建造物の今後の地震リスクマネジメントへ向けた取り組みについて言及する。
歴史的建造物と地震災害
清野 純史
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター上級研究員、京都大学大学院工学研究科教授
歴史的建造物、地震被害、イラン・バム地震、耐震性評価、文化遺産
配付資料
平成22年11月17日(水)  阪神淡路大震災においては、地震直後の緊急対応時において深刻な交通渋滞が発生し、緊急車両の通行、物資の輸送、被災者の避難など多くの面において障害となった。自動車が普及した大都市においては、同様のことが起きる可能性が高いがその対策は進んでいるとは言えない。多くの防災計画が想定している「緊急輸送路を指定して、緊急自動車を優先させる」という考え方は阪神淡路大震災の教訓を活かしているとは言えず、より本質的な対応策が必要であることを解説する。
大地震時の交通対策
中川 大
(公財)ひょうご災記念21世紀研究機構人と防災未来センター上級研究員、京都大学大学院工学研究科教授
緊急輸送、交通渋滞、交通規制、緊急自動車、物資供給
配付資料
平成22年12月10日(金) 1995年に阪神淡路大震災を経験し、大災害には、既存の救急医療体制では対応出来ないことが証明された。震災以降15年間かけて構築してきた、災害拠点病院を中心とした被災地内の医療体制、DMAT(災害緊急医療支援チーム)を中心とした広域搬送計画などの国内の災害医療体制と、海外で発生した大災害に対する国際医療援助の実際について紹介する。
国内外の災害医療
-こころのケガの応急手当-
甲斐 達朗
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター上級研究員、大阪府済生会千里病院副院長・千里救命救急センター長
広域患者搬送、DMAT,災害医療の3Ts、病院の脆弱性
配付資料
平成23年1月19日(水)  わが国では阪神・淡路大震災以降、「こころのケア」という言葉が広く知られるようになった。しかし被災直後の混乱期に何をするべきなのか、あるいは何をするべきではないのかなど、その内容についてはいまだ十分に認識されていない。アメリカで開発された災害支援者のための研修マニュアル「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引」を参照しながら、災害・大事故に対する適切な心理的支援法について考える。
サイコロジカル・ファーストエイド 
明石 加代
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構こころのケアセンター主任研究員
災害、こころのケア、トラウマ、回復力
資料なし
平成22年2月4日(金)  アジア地域は日本、中国、台湾をはじめとする地域で、巨大地震災害を経験してきている。その経験と問題意識を共有するために、日中台の国際会議を過去2年で3回開催してきた。その内容より、復興基金の在り方、四川大地震と阪神大震災の違い、経済復興における諸問題やコミュニティビジネス、NGOによる復興支援の在り方など、幅広いテーマについて紹介する。
災害対策をめぐる国際協力の仕組み
林 万平
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構研究調査本部研究員
復興基金、コミュニティビジネス、NGO、経済復興、四川大地震
配付資料



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